サブエージェント — 複数タスクを並列処理する
このレッスンで学ぶこと
- □Agentツールとは — メインのClaudeから「別のClaude」を起動する仕組み
- □なぜ並列処理が必要か — 調査しながら実装、テストしながらドキュメント更新
- □サブエージェントの5つの種類(Explore / Plan / code-reviewer / security-reviewer / general-purpose)
- □実務での使い方 — 複数ファイルの同時調査、レビューの並列実行
- □バックグラウンド実行で長時間タスクを裏で走らせる方法


Agentツールとは何か
Claude Codeには「Agent」という内部ツールがあり、メインのClaudeが判断して別のClaudeインスタンスを起動できます[1]。 起動されたサブエージェントは独自のコンテキストを持ち、独立して作業を進めます。結果はメインのClaudeに返され、統合されます。
サブエージェントの動作イメージ


サブエージェントの種類
Claude Codeのサブエージェントは、目的に応じて複数の種類が用意されています[1]。 メインのClaudeがタスクの性質を判断し、最適な種類を自動で選択します。
Explore(探索)
コードベースの調査・検索に特化
「この関数がどこで使われているか調べて」「このモジュールの依存関係を洗い出して」といった探索タスクに最適。 Grep、Glob、Readなどの読み取り系ツールを駆使して情報を収集します。
Plan(設計・計画)
実装計画の立案・設計レビュー
「この機能の実装計画を立てて」「リファクタリングの影響範囲を分析して」に使用。 コードを読んで計画を立てるが、実際のファイル変更はしません(読み取り専用)。
Code Reviewer(コードレビュー)
変更内容の品質チェック
git diffの内容を確認し、バグの可能性、コードスタイルの問題、改善提案を行います。 PRを作る前のセルフレビューとして活用できます。
Security Reviewer(セキュリティ)
脆弱性・機密情報の検出
ハードコードされたAPIキー、SQLインジェクション、XSSの可能性など、セキュリティ上の問題を専門的にチェックします。 認証・認可まわりのコード変更時に特に有効です。
General Purpose(汎用)
その他のあらゆるタスク
上記に当てはまらない汎用タスクに使用。ドキュメント生成、テストケース作成、データ変換など、 柔軟にさまざまな作業を分担させることができます。
実務での使い方
サブエージェントは特別なコマンドを覚える必要はありません。Claude Codeに自然言語で指示すれば、必要に応じて内部で自動的にサブエージェントが起動されます。
ケース1: 複数ファイルの同時調査
Claude Codeは内部で3つのExploreサブエージェントを起動し、各ディレクトリを並列に調査。結果を統合して比較レポートを返します。
ケース2: 実装しながらレビュー
メインが実装を終えた後、code-reviewerとsecurity-reviewerのサブエージェントが同時に起動し、品質とセキュリティを並列チェックします。
ケース3: 調査と計画の分離
Exploreでコード構造を調査し、その結果を元にPlanが実装計画を策定。コンテキストが分離されているので、調査結果がクリーンなままPlanに渡されます。
サブエージェントを意図的に使うコツ
バックグラウンド実行
長時間かかるタスクは、バックグラウンドで実行させることもできます[2]。 BashツールのAPIには run_in_background パラメータがあり、 これを使うとコマンドを裏で走らせながら別の作業を進められます。
バックグラウンド実行の流れ
使いどころの目安

Agent Teams — 独立した専門家チームで動かす
サブエージェントは「リーダーが部下に仕事を振る」親子関係ですが、Agent Teamsは独立した専門家が対等に議論しながら進めるチーム関係です。各エージェントが独立したウィンドウで動き、直接メッセージを送り合いながら協調作業を行います。
サブエージェント vs Agent Teams
| 比較項目 | サブエージェント | Agent Teams |
|---|---|---|
| 関係性 | 親子(リーダー→メンバー) | 対等(専門家同士) |
| 通信 | リーダー経由 | 直接メッセージ |
| 向いてる作業 | 単一タスクの並列処理 | 複数領域の同時設計 |
| コスト | 中 | 高(複数セッション同時起動) |
実用例: Webサイトを同時設計
Webサイトを作る時に、デザイン担当・実装担当・レビュー担当を同時に動かす。それぞれが独立して作業しながら、必要に応じて直接やり取りして整合性を保ちます。
設定方法
Agent Teamsは実験的機能です。有効にするには、settings.jsonに以下を追加します。


トークン消費に注意
サブエージェント活用の注意点
気をつけるべきポイント
- 1.トークン消費 — サブエージェントはそれぞれ独自のコンテキストを持つため、並列実行するとトークン消費量が増えます。不必要な並列化は避けましょう。
- 2.ファイル競合 — 複数のサブエージェントが同じファイルを同時に書き換えると競合が起こる可能性があります。書き込みはメインに集約するのが安全です。
- 3.コンテキスト制限 — サブエージェントはメインのコンテキストの一部しか引き継ぎません。必要な前提情報は指示に含めるか、ファイル参照で渡しましょう。
並列処理が逆効果になるケース
Lesson 10 まとめ
- ✅サブエージェント = メインのClaudeが起動する「別のClaude」。並列で独立した作業を実行
- ✅5種類(Explore・Plan・Code Reviewer・Security Reviewer・General Purpose)が目的別に用意
- ✅「並列で」「同時に」と明示的に指示すると、より積極的にサブエージェントが活用される
- ✅バックグラウンド実行で長時間タスクを裏で走らせ、待ち時間を有効活用できる
あなたの番です
出典・参考文献
本レッスンで引用したデータの原典一覧です。数値は各調査の公開時点のものであり、閲覧時期により更新されている可能性があります。
- [1]Claude Code Sub-agents and Multi-agent Patterns — Anthropic(2025)
- [2]Claude Code CLI Usage and Tools — Anthropic(2025)
- [3]Building Effective Agents — Anthropic(2025)
よくある質問
サブエージェントは追加料金がかかる?
サブエージェントの利用自体に追加料金はありません。ただし、並列実行によりトークン消費量が増えるため、API利用(従量課金)の場合は使用量が増加します。Max Planの場合は月額固定のため、気にせず活用できます。
サブエージェントの数に制限はある?
公式な上限は明示されていませんが、実用上は3-5個程度の並列が最も効率的です。あまり多くのサブエージェントを起動しても、コンテキスト管理のオーバーヘッドが増え、かえって効率が下がることがあります。
サブエージェントを使わないように指示できる?
はい。「順番に処理して」「1つずつ確認して」と指示すれば、逐次実行になります。すべての結果を確認しながら進めたい場合は、あえて並列化しないほうが良いこともあります。
並列処理の力を手に入れた。次はClaude Codeをチームに導入する方法を考えよう。
Lesson 11: チーム導入 →