SEO · 社内で進める
SEOの社内共有の進め方|他部署が判断できる報告と依頼の実例
豊藏翔太/シンクムーブ株式会社 · 更新
SEOの数字をまとめても、次に誰が何を決めるのかが曖昧だと、会議は報告だけで終わりがちです。社内へ共有するときは、「今回、何を判断してほしいか」を最初に置きます。
僕は2026年1月の会話で、仕事が進まない背景として「判断基準がない」「KPIが多い」「納得感がない」といった問題を挙げました。この記事では、その考え方をtools.thinkmove.jpの実際の検索実績に当てはめ、他部署へ相談できるメモにします。

手元の仕事で試す
検索実績から、共有用のメモを作る
2期間のクリック数と表示回数から、比較表と次に確認することをまとめます。まず教材の実数で完成形を見て、自分の数値でも試せます。
tools.thinkmove.jpのSearch Consoleから抜粋した実数です。Web検索、ページ別集計、国・端末の追加フィルタなし。記事改訂前の実績です。
出典のCSVと教材をダウンロード- 前回:
- 2026-07-14〜2026-08-10
- 今回:
- 2026-08-11〜2026-09-07
| 指標 | 前回 | 今回 |
|---|---|---|
| クリック数 | 23 | 24 |
| 表示回数 | 726 | 1,055 |
| CTR | 3.17% | 2.27% |
CTRの差:-0.89ポイント。原因や問い合わせへの影響は、この数値からは判断できません。
コピーするメモを確認する
# SEOの比較メモ(確認用の下書き) 公開教材の実数を使った見本です。記事改訂前の実績であり、改訂の効果を示しません。 ## 今回判断したいこと このページで次に確認するデータを決める。 ## 対象と条件 対象: tools.thinkmove.jp /learn/claude-code/11-team-adoption 前回: 2026-07-14〜2026-08-10(28日間) 今回: 2026-08-11〜2026-09-07(28日間) 両期間の集計条件: Web検索、ページ別集計、国・端末の追加フィルタなし 出典: Search Console。公開教材 team-first-task.zip / sources/search-pages.csv ## 確認できる数値 | 指標 | 前回 | 今回 | | --- | ---: | ---: | | クリック数 | 23 | 24 | | 表示回数 | 726 | 1,055 | | CTR | 3.17% | 2.27% | CTRの差: -0.89ポイント。差は丸め前のCTRから計算。 計算式: CTR = クリック数 ÷ 表示回数 × 100。 ## この数値だけでは分からないこと 増減の原因、記事変更の効果、問い合わせや売上への影響は未確認。 ## 次に確認することの案 同じ2期間・同じ条件の検索語別データを確認し、表示が増減した検索語とページ内容の一致を見る。 検索語別の合計は、匿名化等によりページ合計と一致しない場合がある。 担当者: 未決定 確認期限: 未決定 確認後に決めること: 追加調査か、記事の修正か、現状を維持するか。
CTRはクリック数÷表示回数で計算します。Googleの指標の説明も確認できます。メモを作った後は、本文の「事実と、原因についての仮説を分ける」へ進んでください。
最初に、対象と期間を揃える
次の表は、tools.thinkmove.jpのSearch Consoleで取得したページ別のWeb検索実績です。今回は2026年8月11日〜9月7日、前回は7月14日〜8月10日。どちらも28日間で、国・端末の追加フィルタはありません。
この2ページを選んだのは、今回の改訂対象だからです。サイト全体の合計でも、顧客案件の改善実績でもありません。また、改訂より前の数値なので、この記事を直した効果を示しているわけではありません。
| ページ | 表示回数 前回→今回 | クリック 前回→今回 | CTR 前回→今回 |
|---|---|---|---|
| チーム導入 | 726→1,055 | 23→24 | 3.17%→2.27% |
| AIへの指示 | 138→390 | 2→2 | 1.45%→0.51% |
事実と、原因についての仮説を分ける
確認できるのは、両ページで表示回数が増え、CTRが下がったことです。クリック数はチーム導入が1増え、AIへの指示は同数でした。ここから「記事が悪い」「問い合わせが減った」とは断定できません。
たとえば、表示される検索語の構成が変わった可能性があります。原因を調べるなら、同じ2期間の検索語別実績へ進みます。問い合わせへの影響を知りたいなら、その行動を確認できる別の計測が必要です。
社内共有では、この未確認の部分を埋めたふりをしない方が、相手に何を聞けばよいかが明確になります。
会議で使う1枚の記入例
以下は自社の実数を使って、今回作成した検討用の見本です。実際にこの案を会議で承認した記録ではありません。担当者と期限は決まっていないので、決定済みのように書かず残しています。
チーム導入から確認する案にしたのは、ここで比較した2ページの中では表示回数が多いからです。問い合わせへの近さや事業上の優先度が分かれば、順番が変わる場合もあります。
社内共有メモの記入例
今回作成した検討用の見本です。会議の決定事項ではありません。
今回判断したいこと チーム導入ページから、検索語の内訳を確認する作業に着手してよいか。 確認した事実 対象: tools.thinkmove.jpのチーム導入ページ。Web検索、ページ別。 今回: 2026-08-11〜09-07。前回: 2026-07-14〜08-10。 表示回数726→1,055、クリック23→24、CTR約3.17%→約2.27%。 出典: Search Console。教材のsources/search-pages.csvにも抜粋。 仮説と不足情報 表示される検索語の構成が変わった可能性がある。原因は未確認。 問い合わせと売上は、この資料からは分からない。改訂前の実績。 次の確認 同じ2期間の検索語別データで、表示が増えた語と記事内容の一致を見る。 担当者: 未決定 確認期限: 未決定 確認後に決めること: 導入説明、タイトル、本文のどこを直すか。
営業・CSには、答えが記事を変える質問をする
「SEOに役立つ情報をください」では、相手が何を返せばよいか迷います。記事のどの説明で困っているかを示し、その説明を変えられる質問へ絞ります。
たとえば、チーム導入の記事なら、初回相談で設定共有と資料共有のどちらを聞かれるのか、導入後のどの手順で止まるのかを尋ねます。以下は依頼文の例であり、実際に顧客から受けた質問や調査結果ではありません。
| 相談する相手 | 聞くことの例 | 返答を何に使うか |
|---|---|---|
| 営業 | 導入の相談で、最初に説明し直すことが多い点は何ですか。直近の例を、社名や個人名を外して教えてください | 冒頭で答える疑問と、導入前の説明を決める |
| CS・サポート | 案内を読んだ後、どの操作で止まりますか。該当する手順とエラーを教えてください | 手順の補足や実画面を追加する |
| 開発 | この再現手順で同じ不具合が出ますか。修正案と影響範囲を確認したいです | 記事の書き換えで足りるか、ツール修正が必要か判断する |
開発へは、症状と再現手順をセットで渡す
記事の説明だけでは解決しない問題もあります。今回のサイト制作では、MarkdownからWordPressへ変換するツールのプレビューに、表の境界や余白が十分に出ていない箇所を確認しました。表示用スタイルを直し、同じ入力を使って見比べています。
このようなときは「見やすくして」だけでなく、入力したMarkdown、どこに表示された結果か、期待する状態を渡せます。記事にスクリーンショットを足すか、機能を直すかも、その材料があると相談しやすくなります。
不具合を相談するときの書き方
今回の記事用に作成した指示例です。対象の資料名は自分の環境に合わせてください。
対象URLと画面: 試した日時と端末: 入力した内容(共有できる最小の見本): 再現手順: 実際に起きたこと: 期待する状態: 利用者が困ること: 修正前に確認してほしい影響範囲:
相談後は、決まったことと保留を残す
打ち合わせが終わったら、誰が何をいつ確認するかを書きます。その場で決められなかったことは、追加で必要な資料と一緒に保留として残します。AIに議事をまとめてもらう場合も、未決定の担当者や期限を補わせないようにします。
記事を更新した後は、変更日と変更内容を残し、検索語・流入・記事内の行動を見直します。公開直後の順位やクリックだけで良し悪しを決めず、比較できる期間とデータが揃っているかを確認してください。
こうしておくと、他部署からの返答が記事やツールのどの変更につながったかを追えます。社内共有が次の作業を決めるための材料になります。
手元で使うテンプレート
よくある質問
CTRが下がったらタイトルを変えるべきですか?
その前に、検索語や表示される位置などの変化を確認します。ページ全体のCTRだけでは、タイトルが原因かは分かりません。
営業から質問を集めれば検索需要が分かりますか?
顧客が困っていることの一次情報になりますが、検索数そのものではありません。検索実績や検索結果と合わせて、記事で扱うテーマを判断します。
共有メモは毎回長く書く必要がありますか?
判断したいこと、根拠、未確認、相手への依頼が伝わる長さで十分です。詳しいデータは元ファイルへたどれるようにします。
出典・確認先
公式情報の確認日:2026-09-11。画面や仕様が変わった場合は、以下の提供元の案内を確認してください。
続けて試す
Next Action
SEOを会社の仕組みにするなら
個別施策を積み上げたら、AI、コンテンツ、Claude Codeとつなげて月次運用にします。
連携の相手が見えたら、次は「完璧を求めず動かす」技術。プロトタイプで合意を取る方法を学ぶ。
Lesson 11: プロトタイプ →